1. サブリミナルの仕組み
サブリミナルでは、顕在意識の抵抗を迂回して潜在意識にメッセージ(暗示)を埋め込みます。 つまり、自分(顕在意識)が意識しない方法で、自分の願望を込めたメッセージを自分自身に浴びせ続ける。
アファメーションとの比較
アファメーション(断言法) ・・・ 例えば「私は自信に溢れる人間だ」と(口に出して、あるいは心の中で)何度も自分に言い聞かせます。
「私は自信に溢れる人間だ」とアファメーションするのは自分に自信が無い人。 だから顕在意識は当然「いや、そんなことない。自分に自信なんてない」と拒絶します。 アファメーションではそこで、「いやいや、私は自信に満ちた人間なんだよ!」と何度も自分自身に言い聞かせ、顕在意識の拒絶反応を真正面から打ち破り自分を改造します- サブリミナル ・・・ 顕在意識に気づかれないようにコッソリとメッセージを潜在意識にお届けします。 顕在意識を回避するので、拒絶反応(いや、そんなことない)は発生しません。
2. サブリミナルの方法(PC使用)
サブリミナルには音声か文字を用います。 顕在意識は知覚しないが潜在意識(顕在意識より知覚力が強い)は知覚する形で、音声や文字に自分を暴露します。
次に、音声によるサブリミナルと文字メッセージによるサブリミナルをPCを用いて行う方法を述べます。
2.1. 文字によるサブリミナル
文字によるサブリミナルでは、顕在意識が知覚できないほど一瞬だけサブリミナルのメッセージを表示します。
PCでこれを行うには、「スーパーサブリミナル」というフリーソフトを使います。
メッセージの表示時間は4~33ms(0.04~0.33秒)に設定すると良いでしょう。 サブリミナルの研究で使われる表示時間です。 ただ、「スーパーサブリミナル」は表示時間が短い(20msなど)とメッセージが表示されないことがあります。2.2. 音声によるサブリミナル
顕在意識が聞き取れない音声でメッセージを作成します。
2.2.1. 2つの方法
音声メッセージの作成方法は次の2つ:
- 自分自身でメッセージを読み上げて録音する。
- 音声合成ソフトを使う。
自分の声で「私は/オレは~」と録音するほうが効果的に思えますが、私は音声合成ソフトで「あなたは~」でやっています。
音声合成ソフトは無料のものが複数出回っていますが、Coeiroink が優秀(重いですが)。 声はツクヨミちゃんがオススメ。 自然で可愛い声。 他のは概ねアニメ声。
2.2.2. 音声の編集
上記の 1. と 2. いずれの場合も、作成した音声ファイルは、Audacity というフリーソフトを使って編集します。 音声を調節したり、他の音声やBGMと組み合わせたりします。2.2.3. サブリミナル・メッセージの隠し方
自分の願望を埋め込むメッセージをサブリミナル・メッセージとして成立させるには、メッセージが顕在意識にバレないようにする必要があります。 次の方法があります:
- 自分(顕在意識)に聞こえない小さなボリュームでメッセージを作成する。
- BGMでメッセージを隠す(聞き取りにくくする)。
BGMを用いる場合は、メッセージの音量レベルがBGMより45db低いと良いとされますが、45dbも低いと潜在意識にも聞こえないのではないかと不安になります。 私は「他のことをやっていると意識に入って来ない(注意して耳を傾けると聞こえる)程度のボリューム」を目安にしています。
3. サブリミナルの効果の真偽は?
大学など専門機関による調査では、サブリミナルに効果があるかどうかは微妙です。 つまり、効果が見られたケースもあるけれど見られなかったケースもあり、効果があるとも無いとも断言できない。
CIA(米国の諜報機関)がサブリミナルの諜報活動への利用を模索する文書は、この辺りをバランス良く評価していると思われます。 CIAの文書は「信頼性に欠ける」という理由でサブリミナルの諜報への利用に否定的。 でも、「信頼性に欠ける」とは「効果があったりなかったり」ということ。 CIAの活動は「失敗したから再挑戦」という具合にいかないので効果の安定性が重要ですが、「引き寄せ」は違う。 何度でも繰り返せます。 サブリミナルの効果が微弱で不安定でも、何度も繰り返して積み重ねれば確実に効果がある、はず。
「サブリミナルに効果など無い」と断言する研究者もいますが、それは偏った意見。 サブリミナルの効果を追求する研究は今も行われています。 例えばマギル大学(カナダ)の 2019年の研究。 食欲を掻き立てるサブリミナルで食欲が増加するという統計学的に有意な結果となっています。
4. サブリミナルに必要な時間
サブリミナルが効果を発揮するのに必要な時間は、いかほどでしょう?
音声の場合ですが、この研究論文の "Discussion" のセクションで、「サブリミナルが効果を発揮するには少なくとも15時間を聞き続ける必要がある」とする研究を紹介しています。